アナログ広告としての現地看板
インターネットの普及によりマーケティングの勢力図は大きく変化しており、看板・ポスター・チラシなどの広告は日増しに影が薄くなっています。それでも日常生活の中に溶け込んでいるアナログ広告は気付きにくいところで効果を発揮しています。不動産の現地看板もそのひとつです。
今回は小田急線経堂駅と千歳船橋駅の中間に位置する、世田谷区の閑静な住宅地の一画でコーポラティブハウスの建設予定地に入居者募集の立て看板設置の依頼を受けました。
ご依頼いただいたのはコーポラティブハウスのリーディングカンパニーとも言える企業様で、主に物件の募集はWebで行っており、当社は駅の広告や現地看板メディアなどを媒体としてSNSやWebに人を誘導するという形でお手伝いをさせていただいております。
コーポラティブハウスとは入居希望の数世帯が集まって建設組合を作り、建築家とともに設計の段階から参加できる集合住宅のことです。分譲マンションとは異なり、ひとつの物件の中でそれぞれのオーナー様の暮らし方や好みに応じて間取りや住宅設備機器など細部に至るまで居心地の良い住まいを形にできるということで、最近中古住宅のリノベーションとともに人気が高まっています。
今回の立地は一般的には共同住宅には不向きといわれている旗竿形の変形地。間口3メートルと狭く大きさが制限されるため、900㎜×1,200㎜の看板を製作施工しました。
材料は看板枠・足ともに垂木を使用。看板面はアルミ複合板にインクジェット出力した塩ビシートを圧着します。フレーム部分は四方をアルミアングルを用いてビスで固定しました。足の設置をする際は、水道管、ガス管を傷つけないよう気を配り、木杭を約500㎜ほど地面に打ちつけ強風が吹いても倒れないように設置しなければなりません。
現地看板を設置することで、問い合わせや物件詳細についてはQRコードからWebへアクセスしたり、備え付けのパンフレットでも確認できます。
いま広告業界は多種多様なメディアが日々更新されていますが、デジタルとアナログは時代と共にどちらかに取って代わるものではなく、それぞれの特性に応じてこれからも共存し人々の生活の中に深く根付いていくものであると思います。